01 雲南のコーヒー産地
コーヒーが育つ、雲南の山へ。
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山の斜面に広がるコーヒー畑。緑の葉の間からのぞく、赤い実。
中国南西部の雲南には、一杯のコーヒーが生まれる風景があります。
畑の小径をたどりながら、その実を育て、収穫する人たちの仕事を見ていきましょう。
※農園・作業風景は、コーヒーの栽培と収穫を紹介するためのAI生成イメージです。
02 産地を知る
山あいに広がる、雲南のコーヒー産地。
雲南省は中国の南西部にあり、ミャンマー、ラオス、ベトナムと国境を接しています。山と川が入り組むこの地域では、場所によって標高も気候もさまざま。コーヒーは主に、省の西部から南西部にかけて栽培されています。
主要産地のひとつが、プーアルです。思茅や孟連など、各地の山あいに農園が点在し、斜面に沿った畑や、谷に開けた畑でコーヒーが育てられています。同じプーアルの中でも、農園のある場所によって、日当たりや気温、雨の降り方が異なります。
西部の保山では、高黎貢山のふもと、怒江沿いに広がる潞江壩が代表的な産地です。温暖で日照に恵まれたこの谷では、小粒コーヒーの栽培が長く続いてきました。さらに、ミャンマーとの国境に接する德宏でも、芒市や瑞麗などで栽培が行われ、地域に合った品種の研究や育成が進められています。
「雲南産」という名前の向こうには、こうした土地ごとの違いがあります。どの山で、どの農園で育ったコーヒーなのか。産地を少し詳しく知ると、いつもの一杯を選ぶ楽しみも広がります。
03 畑をのぞく
葉の間をのぞくと、コーヒーの実が見えてくる。
遠くから見ると、一面の緑に見えるコーヒー畑。小径を歩いて近づくと、つやのある葉の間に、小さな実がいくつもついているのがわかります。まだ緑色のもの、少しずつ色づいているもの、赤く熟したもの。同じ枝にも、育ち具合の違う実が並んでいます。
雲南で「小粒咖啡」と呼ばれているのは、アラビカ種のコーヒーです。アラビカ種にはさまざまな品種があり、それぞれに特徴があります。雲南でも、土地の気温や雨量、標高などに合う品種を選び、その場所に合った育て方が工夫されています。
コーヒーの木は白い花を咲かせたあと、小さな緑色の実をつけます。実は少しずつ大きくなり、赤く熟す品種では、収穫が近づくにつれて葉の間に鮮やかな赤が目立つようになります。熟した実がさくらんぼに似ていることから、「コーヒーチェリー」と呼ばれています。
私たちが普段目にするコーヒー豆は、この果実の中にある種子です。通常、ひとつの実にはふたつの種子が向かい合って入っています。果皮や果肉などを取り除き、乾燥させて取り出したものが「生豆」。まだ茶色くはなく、淡い緑色などをしています。
生豆を焙煎すると、色が変わり、コーヒーらしい香りが生まれます。畑で見つけた赤い実と、カップから立ちのぼる香り。その間には、収穫してからの仕事が続いています。
04 収穫から一杯へ
実りを、一粒ずつ収穫する。
コーヒーの実は、すべてが同じタイミングで熟すわけではありません。赤く熟した実のそばに、まだ緑色の実が残っていることもあります。熟した実を選んで手摘みする場合は、枝を確かめながら摘み取り、まだ熟していない実は次の収穫まで残しておきます。
畑を歩き、実を見て、手を伸ばす。その繰り返しで、収穫した実がかごや容器に少しずつ集まっていきます。摘み取ったあとは、熟し具合や傷みなどを確認し、次の作業に進みます。育てることと同じように、いつ摘むか、どんな実を選ぶかも、コーヒーづくりでは大切にされています。
精製・加工・焙煎
雲南の実りが、一杯の香りに変わるまで。
山あいの畑で摘み取られた赤い実。その中にある種子が、いつものコーヒー豆です。けれど、収穫したばかりの実から、あの香ばしい香りがするわけではありません。雲南の土地が育んだ個性は、収穫後の手仕事や加工を通して、少しずつ一杯の味わいになっていきます。
その味わいに関わるのが、果実から生豆に仕上げる「精製」です。たとえば「ウォッシュド(水洗式)」では、果肉を取り除き、種子の周りの粘り気を分解して水で洗い流してから乾燥させます。果実を丸ごと乾かすナチュラルとは、乾燥までの道のりが異なります。同じ畑で採れた実でも、こうした扱い方によって、仕上がるコーヒーの香りや口あたりに違いが生まれます。
畑と焙煎の現場をつなぐ加工施設にも、おいしさを支える仕事があります。乾き具合を確かめ、乾燥を終えた豆から殻を取り除き、大きさや状態を見ながら選別する。それぞれの工程を担う施設で、機械の力と人の目を使い、乾燥のむらや傷んだ豆、異物を見逃さないようにします。目立たない作業の積み重ねが、農園で大切に育てられた豆の品質を守っています。
生豆から、焙煎へ
こうして整えられた生豆に熱を加え、香りを開かせるのが焙煎です。焙煎工場や焙煎所では、豆の色や香り、はぜる音を確かめながら、熱の加え方と煎り止めるタイミングを見極めます。中煎りなら、果実を思わせる酸味をほどよく残し、甘みや香ばしさとの調和を。深煎りなら、酸味を穏やかにし、豊かな香ばしさとほろ苦さ、しっかりとしたコクを。同じ豆でも、焙煎によって楽しめる表情は変わります。
軽やかな酸味に心が動く日も、深いコクをゆっくり味わいたい日も。産地や品種だけでなく、精製や焙煎にも目を向けると、雲南のコーヒーを選ぶ楽しみが、もう少し広がります。
※加工・焙煎施設と作業風景はAI生成イメージです。雲野の自社施設や取引先の実写ではありません。
その風景を、次の一杯に。
山あいの畑で育った実が、人の手を経て、香り立つコーヒーになる。次に雲南のコーヒーを飲むときは、葉の間に実る赤い果実や、収穫する人たちの姿を、少し思い浮かべてみてください。味わいと一緒に、そのコーヒーが育った場所も、身近に感じられるかもしれません。